その①の続きです。
前回を読んでいない方は、まずそちらからどうぞ。
【シルティン】
今作における第ニの主人公。当初は無謀さや態度の悪さが光る(?)、「如何にも」なお坊ちゃまとして登場するものの、故郷を取り戻す戦いの過程で一人の人間として…また君主としての成長を遂げていきます。
最初から老成していて賢者モードなゼイドとは異なり、若さゆえの未熟さや弱さなど「人間的」な面を重点的に描写されていて、対極的な立ち位置にあるのがまた面白いですね。
能力は平均的ですが、仲間になった当初は叔母上による愛の無限ポーションにより便利な肉壁になってくれます。覚醒までのレベル上げにも有効なので、それまでは思い切りこき使いましょう。
専用武器の「アムソリム」が非常に強力な上に、マラカンにCCすると剣装備が追加されて接近・間接の両射程で戦えるように。…しかし、成長率・上限値共に微妙なためか器用貧乏な感じは否めず、あまり無茶はさせられません。
ちなみに、筆者は彼を見ていて第二次スパロボαの「アイビス・ダグラス」を連想しました。DQNから真人間になるところとか、顔グラがやさぐれ状態から涼しい真正面になるところとか…世話焼きなパートナーが居るっていうのも共通点かな。
【 ホエルン】
シルティン編のヒロイン。未熟さが剥き出しだった相方とは異なり、芯の強さとカリスマ性を兼ね備えた公女。そして、お世辞にも強いとはいえない微妙な能力値という組み合わせが、なんとなく「女ロード」という言葉を彷彿とさせます。
彼女もまた、シルティンと同じでアトルとキャラクター性が対になっていますが、その動機はどうだったのかな…と思う所はあります。つまるところ、一人の人間として自立したアトルに対して、自立しているように見えてシルティンに依存しているホエルン…人によってはそんな対極に見えるかも。
戦力としては、ぶっちゃけ下に数えた方が良いレベル。遊牧騎馬というユニットの性能には恵まれているのですが、低すぎる初期値と釣り合わない成長率、レベルアップ回数の少なさも加わって中途半端な最終ステになる場合が殆ど。
彼女を強くしたいなら、アリアドネを成長用として割り切るぐらいの思い切りが必要です。尤も、高い移動力で鍵開けや取りこぼし処理をするのが彼女の仕事なので、そんなに強くする必要もないですが。
なお、12章で自由にCC出来るとはいえ、マラカン以外は上級職になれないので趣味の領域。…一番役に立たないであろうソードファイターで吟味したレポートも書いてました。後日アップします。
【<span style="color:#6633FF ">アイネリア</span>】
みんな大好き叔母上様。前半は無限ハイポーションでサポートに一役買ってくれる人、後半は魅惑で攻撃バフをかけてくれる人。叔母上のハイポーションなら超飲みたい。
シルティン編におけるもう一人のヒロインであり、またソリスの物語を紡ぐ上でなくてはならない存在。タムティールとの関係に留まらず、その後も政治的な面でシルティンを手助けするなど、(元々そういう設定であったとはいえ)ティアンナを彷彿とさせる有能ぶり。こういう博識な面が中世の高級娼婦っぽい
そんな彼女ですが、以外にも剣士ユニット。とはいえ、正面から切り込むような性能ではなく、戦場でも優秀な補佐として駆け回りながら味方の不足部分を補うのが役目です。
ゆえに能力値は控えめですが、自衛する程度の能力は備わっているので大丈夫。専用武器のアルシオネや女性専用剣を持たせておけば、雑魚の一掃を手伝わせることも可能です。
【エルヴァ】
ソリストライアングルの片思いの方。いきなり出てきて「甘い言葉でホエルンを連れ去る気か」と警戒してたら、終始イイ男でびっくり。その後も端役として、あの手この手でホエルンの後押しを続けることに。
幼少の頃から抱えていた想いを押し殺して、わざと憎まれ役を演じるその姿はまさに”漢”。プレイヤーからすればこっちに軍配が上がるのでは?ただ、彼の性格ではホエルンと合わないような気も…
ユニットとしても非常に優秀で、ランスナイトというだけで強い。専用武器のランス系統が高火力な上に本人のステータスも高めで安定感があり、ゼイドに比べて貧弱なシルティン軍の要となります。
所持スキルは少ないですが「特攻解除」など役立つなものが揃っており、ナイトキラー怯えることなく先陣を切ることが出来ます。シルティン軍は騎馬兵が揃ってパッとしないので、彼を育てておいて損はありません。
彼のストーカー疑惑は作者によって否定されましたが、その場で聞いていた方々はどう思ったんだろうね…ホエルン本人を戦わせたら、なにかコメントがあったりすると面白かったかな…
【デューン】
サジマジバーツの村人その3。顔グラもまさにモブ平民のそれですが、ストーリー中で超重要人物であるアリシャの追っかけとなり、さらにゲームを進めていくと壮絶な背景を持っていることが判明し、「第三の主人公」と言えるほどの立場に。
その後もワガママ王女様やらなんやらと関係があることもわかり、冴えない顔の割に色んな意味で恵まれている男。でも、本人は至って真面目で嫌味っぽさがないのがまたイイし、17章のリティア救出など漢の面を覗かせるのもGood。
弓兵の中でも格段に強く、成長率は全体的に高めで速さ・力の伸びは良いため、重めで高威力の弓でも難なく使いこなせます。さらに、スキル・専用武器ともに強力で活躍の場面も多いので、特に手をかけずとも勝手に育っていくでしょう。
というか、彼をしっかり育成しておかないと、後々詰みかける場面も増えてしまうので注意しましょう。特に後半のシルティン編は、最低でもCCはさせておかないと非常に辛くなります。
ちなみに、神殿の邪鬼の一番の被害者は彼なんじゃないかと思います。ストーカー疑惑とのび太さんのエッチー!疑惑と、どっちがマシかって言ったらね...
【マーヤ】
資金難に喘ぐゼイド軍の元に舞い降りた「値切りの女神」。そして、先輩方から矢印光線の総攻撃を受けている鷲サーの姫。序盤の貧しき娘から一転、公女様になったりグリューンアドラー隊に入隊したり、アスラン隊長に目をかけてもらったり…KAGA田舎娘の例に漏れず大出世。
その後もアドラー隊でしっかりやっているみたいなので、今後の活躍に乞うご期待。しかし、あれほど偉大なお母さんがどのようにして結婚したのか…とても気になる。
念願の飛行職3人目ですが、実戦経験がないので初期能力・成長率ともに控えめ。その代わり、貧乏生活で身につけたであろう「根切り上手」で、不足しがちな軍資金の節約に貢献します。
ステータスが弱いとはいえ、フロイラインやウインドスピアなど高性能な槍を使える強みもあり、雑魚の取りこぼしや弱い増援の処理ぐらいなら任せられます。正直、値切りを捨ててまでドラゴンナイトにする旨味はあまり…ぶっちゃけ趣味の領域。
【リティア】
ムチをブンブン振り回して戦場を駆け回るワガママ王女様。クラス名がスウィートバードとかいうもんで、「お前、歌えるのか…」と思ったら尻引っ叩いて発破をかける方法だったという…
非常に気が強く、勝手な行動で周囲を振り回すものの、よくよく行動を観察してみると案外素直なところも。また、タリスの趣味や特技を把握しておりさらっと役立てるよう助言するなど、実は割と人を見る目があるのかな?
魔術はたしなみ程度…という設定の通り、ステータスは低くCCもなし。専用魔法の「リップウィップ」には麻痺の効果があるため自衛は出来ますが、店売りの魔法をもたせるとあっさり沈みます。
彼女の本命は「叱咤激励」による再移動なので、自然とブーツ使用の最優先候補となるはず。シルティン軍においては唯一の(純粋な)魔道士ですが、そもそもシルティン編は魔法が必須となる場面が無いので…
【タリス 】
リティア様の下僕。主人以上に育ちの良さが顕れており、明らかに普通の子供でないことは明白です。というか、一般人が…しかも子供が「錬金術」なんて高度な学術を趣味にするはずないので警戒してたら、確かに裏切りはしたけどそれだけだった…
終始不憫な役回りでしたが、主人に虐げられてもとばっちりを受けても音を上げず、「涙を流してくれた女の子」のために頑張るひたむきさは感涙モノ。EDにおける彼の姿は必見、そこらの男連中よりよっぽど大人。
彼の目玉はなんと言ってもストックと武器修理。修理したい武器を持たせておくと、20ターンまで武器の回数を戻してくれます。助かるといえば助かりますが、一周目でシュリが大量に手に入ることがわかってしまうと、今度は出撃枠を減らす方が勿体なくなってしまい…
さらに、ストックはシルティン軍が別働隊になった章から使えなくなるという 強引なバランス調整デメリットも。結果、タリスがいるからいいや!なんて高くくってたプレイヤーの恨みを買ってしまうことに…いとあはれ。
なんやかんやで外伝ではめでたくくっつきました。夜伽ではきっとSになるんだ… 身辺調査の依頼を受けていたとはいえ、ガーランさんが異様に甘いと言うか…気にかけてる感じなのは何なんでしょうか。
【ヘルム】
上級騎兵の剣を使う方。ライオンさん。ソリスの勇士として草原を駆け回っていたジャムおじさんと違い、彼は特に浮いた話も何もなく、終始ワガママ王女様に振り回されていただけのような…
実はさり気なく既婚者だったりするんだろうか?ソリス男子は何かと女運が良いみたいなので、彼に幸あれと願うばかりです。
能力はさほど高くないもののバランスに優れており、まさに上級職の鑑といった性能。最初に持ってくるツバイハンダー一本あれば十分…というか、それだけ持たせておけば大体の敵は倒せます。
トロイやエルヴァのように無双できる能力こそ無いですが、要所要所で活躍してくれるいぶし銀。今作の剣が強いとはいえ、猛将さんとは一体どこで差がついたのか…
【 リンカ】
従者(♀)と駆け落ち中のお姫様。山賊に啖呵を切るヒルダを諌めておきながら、彼女は彼女で魔人に特攻するという、アトルとは違う意味で危なっかしい娘。とはいえ、その行動がなければゼイドとは縁がなかったのかも…しれない?
その後も、男二人の取り合いになって余計なターン制限を付け加えてくれちゃったりと、彼女もKAGAヒロインの例にもれずトラブルメーカーというか…それが面白いんですけどね。
一周目では、性能があまりにもピーキーすぎて出撃させていませんでした。それが、後々あんなシーンで苦しめられるとは…やたらと魔力が上がるものの、彼女の強さはリンカトラスにあるので活かせる場面は少ないです。
魔力の成長次第では流星の短剣で超火力を出せるので、敢えて装備させて強敵にぶつけてみるのもあり?尤も、周囲に敵がいるとほぼ一、ニ撃で沈むので注意です。
それにしても、彼女といいアトルといいエミールといい...ヴェスタリア島では王女の神風特攻が流行っているんでしょうか。幼さ故の正義感でしょうが、危なっかしすぎるので将来の旦那さん方には首輪とリードを常備しておいて欲しいです。
【ヒルダ】
「チッ、うっせーn…反省してまーす」の人。名前的に嫌な女を連想させますが、れっきとした真人間なのでご安心を。お守役でリンカに付いていったものの、当の本人が猪突猛進ガールなために2度も逸れてしまう羽目に。
彼女は彼女で、成り行きがてら助けてくれた胡散臭い僧侶にゾッコンラブ。恋に目覚めてからは可愛い乙女の一面を覗かせるようになりますが、見ていて不安になるのはなんだろう?ノルデンの女性はダメンズフェチが多いですね。
4人目の斧歩兵となりますが、その強さはまさに遅れてきたエース。専用武器の性能もさることながら、反撃で致命確定など所持スキルも強力で、店売りの斧を持たせても十分活躍してくれます。
ただし、男斧兵と違って耐久面はほぼ期待できません。特にHPは伸び切ることが少なく、致命反撃のせいでやっつけ負けを起こしやすいので、運用には注意が必要です。
【ジークフリード】
ベルサガのオルフェンポジション…と言っても、あの時限爆弾みたいな呪いはないですが。何かと様々な謎を残す男ですが、外伝でようやく彼の正体が知ることができます。
来訪する女性ユニットを査定したり叔母上に抱きついたりなど、口だけでなく行動も大胆。密(セクハラ)です!…いくら命の恩人とはいえ、ヒルダもによく心を許したもんだ…
初期ステータス・成長率ともに上級職という感じ。しかし、専用武器と道具がそれぞれ一つずつと装備に恵まれ、特に専用杖の「ホルマリンクル」によって非常に強力なバッファーとして立ち回れます。
また、プリースト職ゆえに魔防も高いので、竜を始め魔力が厄介な敵を引き受けることも。リリアの項でも話したように神聖魔法自体が強いので、シルティン軍の回復役及び魔法使いとして八面六臂の活躍をすることになるでしょう。
【ジャムラン 】
上級騎兵の斧使う方。シナリオ上は歴戦の勇士と評判ですが、いざ仲間になってみると…ストーリー上では「猛将」として渋い活躍をしていたのに、貧弱なステータスのせいで1、2位を争うネタキャラ扱いをされる羽目に。
ネーラとの年齢差もネタにされていますが、そもそも二人って何歳差だっけ…スタッフによれば別におかしくない年齢差らしいので、そこまで離れてるわけでもない?
騎馬と投げ斧の組み合わせは魅力的ですが、命中率が低すぎてまず攻撃を当ててくれません。ウォーピックやプージなどの強い斧を持たせてやっと…というレベルで、ほぼ取りこぼし処理要因でした。せめて彼の弱点を補うような専用武器があれば…
しかし、KAGAさん曰くノーリセプレイでとても優秀な働きをしたとのことなので、使い方によっては大化けするのかも?そういう縛りを設けでもしないと使えない可能性とか言ってはいけない。
【<span style="color:#3366CC">ネーラ</span>】
「その〇〇で私を好きにして!」その2。…なんというか、血の繋がりを感じさせますね。個人的に、7章で出てきた取り巻き達の優しさが印象に残ってます。ジャイアン効果…
叔母上の性職者によるセクハラという代償により、ようやっと感動の再会を叶えることに。悲惨な運命をたどってきた姉と違って印象に残るシーンがないと言うか、彼女の周りが色んな意味で濃すぎるんだよなあ…
回復に加えて馬の機動力という中々の組み合わせですが、代わりに本人の能力はかなり控えめ。CCもないので、現状維持で使うユニットです。
撃ち漏らしの処理や機動力を生かしての回復など、様々な事ができますが…ちょっと物足りなさを感じてしまうことも。回復役として走り回らせたいなら、「高治療の杖」は必須になるので必ずもたせましょう。
【エダル】
今作、最もプレイヤーのヘイトを集めた男。スタッフ曰く、わざと嫌われ者になるよう描写したそうで、二部では名誉挽回の活躍を見せるとのこと。つまり、二部が出なければ彼の株はストップ安ということに…外伝で汚名を雪ぐ活躍はできるのか?
なんやかんやで婚約者とヨリを戻しましたが、行きずりの女と浮気(?)してたこともちゃんと白状してくださいね…
まともに使えるシーンは少ないですが、その強さは折り紙付き。ホルマリンクルによる強化を付与しておけば、17章のジグマ隊も一人で一掃できるほど。
婚約者と並ばせておけば大抵の敵は消えますが、ドラゴンナイトとして運用できるのは実質17章だけです。20章でエスカローネを助けた頃には、もう攻略も終盤でしょうし。
重圧なファンタジーの世界観、複雑な人間模様、そして相変わらずの高難易度と、KAGA要素の集大成とも言える本作。十分に苦s…楽しませてもらいました。
フリーゲームだからこそ出来る...というか描けるような描写も多く、商業作品でなかったのは正解かもしれません。事実、作り手がとても楽しんで制作していることが、手にとってわかりました。
確かに二周したはずなんですが、一周目の記憶は殆どなくて実質初見です。外伝もゆっくりプレイしてますが、人の記憶領域って案外狭いもので、こんなシーンあったっけ?という状況が続いています。SRPGのやりすぎは脳過労を引き起こすようです。
これを読んでいる方はすでにご存知でしょうが、現時点では今作に加えて事実上の続編となる「ゼイド外伝」、前日譚である「ルッカ外伝」の二作も公開されています。以前から二部の構想自体は出来ていることがアナウンスされているので、あとは完結を待つのみ…でしょうか。
ぶっちゃけ、外伝やる前にもう一周するべきだったと本気で後悔。それでもまだ記憶曖昧なところも多く、私は一体何のためにプレイしたのか…今回はちゃんと章別にデータを分けたので、作業のついでに思い出しプレイでもしようかなと思います。
…とか言っていたら、なんと公式Twitterより第2部製作予定のアナウンスが!!公開日などの公表はありませんが、完成が非常に楽しみです。
――最後に、ご多忙の中で時間を削り「ヴェスタリアサーガ」という大作を無償で作り上げたスタッフの皆々様に、この場を借りて感謝申し上げます。
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