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傭兵兄妹会話集⑥

終章

傭兵兄妹会話集⑥

終章の会話です。

ゼイドの物語が一段落し、ヴェスタリア島の戦いは一つの節目を迎えました。
兄妹は最後にどのような選択を取るのか?そして、明かされる傭兵夫婦の過去とは…?

※イレーネの一人称が「あたし」「私」で統一されていない箇所がありますが、これまでと同様にどちらが正しいかわからないので原文ママです。


~ 終章 星下の誓い:アシュラムとイレーネの離別・傭兵夫婦の過去 ~

【マレーネ】
 イレーネ
 もう気が済んだでしょう
 私たちと一緒に帰ってくれるわね

【イレーネ】
 うん お母さん
 だけど・・・

【アシュラム】
 俺を気にしているなら無用なことだ
 俺は一人旅に慣れている
 身軽な方が性にあっているんだ ▽

 だからおまえは両親と国に帰れ

【イレーネ】
 ・・・もう会えないの?

【マレーネ】
 そんなこと無いわ
 アシュラムには居所を教えておくから
 きっと来てくれる ▽

 そうでしょ?
 アシュラム

【アシュラム】
 ああ
 もちろんだ

【イレーネ】
 ホント?
 約束してくれる?

【アシュラム】
 約束する
 男に二言は無い

【イレーネ】
 それなら待ってる
 きっとよ、アシュラム!

《 場面転換 》

【バーンワース】
 ・・・アシュラム、待ってくれ
 これが俺たちの住所だ

【アシュラム】
 預かっておこう・・・

【バーンワース】
 お前の考えは分かっているぞ
 イレーネとは二度と会わないつもりだろう

【アシュラム】
 ならばもう話すこともなかろう
 あの子に過去の記憶は不要
 ・・・それだけのことだ

【バーンワース】
 いや そうとも限らんぞ
 現にイレーネは少しずつ思い出しているようだ ▽

 お前との時間は
 イレーネにとって辛い思い出ではない
 俺は父親としてそう確信しているのだがな

【アシュラム】
 ・・・・
 そう言ってくれるのはありがたいが・・・ ▽

 少し考えさせてくれ・・・

【バーンワース】
 ああ、無論だ
 判断はお前に任すが
 とりあえず住所は教えておく ▽

 ところでアシュラム
 お前はこのままゼイド公子の遠征軍に
 加わるつもりなのか

【アシュラム】
 そうだな
 他には特に仕事もないし
 ゼイドは悪い雇い主じゃない・・・ ▽

 義弟からも頼まれているから
 このまま傭兵として参加するつもりだ

【バーンワース】
 そうか・・・

【アシュラム】
 それがどうかしたのか?

【バーンワース】
 いや・・・
 俺も一先ず故郷へ帰るが
 この乱世で居酒屋の親父ってのもなあ・・

【アシュラム】
 血が騒ぐのだろう?
 あんたほどの傭兵戦士が
 ただの店主でいられるはずがない

【バーンワース】
 あはは・・・
 だが妻には黙っていてくれよ
 知られたら鎖で店に繋がれそうだ

【アシュラム】
 フ・・・

【バーンワース】
 まぁその時が来たら仲良くやろうぜ
 じゃあな!

【アシュラム】
 イレーネ、幸せにな・・・

《 場面転換 》

【イレーネ】
 お父さん
 お兄ちゃんと何を話してたの?

【バーンワース】
 お前、今なんて言った?

【イレーネ】
 え?・・・

【バーンワース】
 さっきまでアシュラムを
 おじさんと呼んでただろう?

【イレーネ】
 え・・・?
 あたし、何て言ったの

【バーンワース】
 お兄ちゃんと・・・

【イレーネ】
 アシュラムおじさんを・・・
 おにいちゃん・・・?
 あれ・・・

【バーンワース】
 どうした?
 泣きそうな顔をして・・・

【イレーネ】
 どうしてかな
 あたし・・・
 涙が止まらない・・・ ▽

 お兄ちゃん・・・
 そう・・・
 あたしを守ってくれたの・・・ ▽

 一人で・・怖くて泣いていた私を
 抱きしめて・・・
 もう絶対に怖い目にあわせないと言ってくれた・・・ ▽

 そう・・・そうだわ!
 そのお兄ちゃんがアシュラムなの!
 おじさんなんかじゃない! ▽

 あたし・・行かなくちゃ
 アシュラムと一緒に行かなくっちゃ!

【マレーネ】
 待ちなさいイレーネ
 思い出したのならわかるでしょう ▽

 アシュラムはあなたが大切だから
 これまで守っていてくれたの ▽

 私たちと会わせるために
 あなたを連れて過酷な旅を続けたの ▽

 それがどれほど大変な事か
 今のあなたならわかるでしょう・・・

【イレーネ】
 うん・・・ ▽

 あたし・・・まだ子供だったから
 アシュラムは食事や寝泊まりに
 とても苦労していた・・・ ▽

 傭兵のお仕事も
 私のせいで断られることが多かったし
 同業者からはいつも笑われていたわ ▽

 アシュラムは悔しかったと思う・・・
 でも私のための我慢をしていたの

【マレーネ】
 その想いがわかるなら
 今は黙って行かせてあげなさい ▽

 そして、いつかあなたが大人になって
 その気持ちがまだ残っていたなら
 ご恩返しをするの

【イレーネ】
 え?

【マレーネ】
 私達を見てごらんなさい
 私があなたくらいの頃、
 お父さんは既に傭兵だったのよ

【イレーネ】
 ・・・?

【マレーネ】
 私が育ったのは貧しい山村でね
 ある日、凶暴な山賊に襲われたの ▽

 両親は目の前で殺されて
 怯える私に一人の男が襲いかかってきた・・・ ▽

 その時、通りかかったのがこの人なの
 そうね
 今のアシュラムくらいの年齢だったかしら ▽

 そうでしょう
 バーンワース?

【バーンワース】
 そうだったかな?

【イレーネ】
 お父さんがお母さんを助けたの?

【バーンワース】
 そんな古いことは覚えちゃいないが
 小娘の扱いには困ったような・・・

【イレーネ】
 うふふ、そうなのね
 わかった!
 あたし、早く大人になる!

【マレーネ】
 そうよ
 素敵な大人になりなさい
 全てはそれからよ

【バーンワース】
 おいおい
 変なことを焚きつけるなよ
 イレーネはまだ子供なんだから

【マレーネ】
 大丈夫よ、あなた
 なるようにしかならないから
 ウフフ・・・


以上で、外伝の兄妹会話集は終了となる…はずだったのですが、取りこぼしていた分岐があるようです。
わかっている範囲と、自分で試したいパターンで以下の3種。

イレーネを親元に戻さなかったパターン:実況動画で差分なしは確認済みですが念の為。
アシュラムの病気を治さなかったパターン:他プレイヤー様の実況で台詞の変更を確認。
上の両方を満たしたパターン:絶 対 に な い


確認ができ次第追加します。が、外伝の翻訳が公開される前になんとか…


※予告なしに追記・修正・削除する可能性があります。ご了承ください。

更新履歴

 

2021.06.

Column更新。

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