Daiper-Works
傭兵兄妹会話集②
6章外伝
6章外伝の会話集です。
11章と収録する予定でしたが、テキスト量が多いので分けることにしました。
~ 6章外伝 ラーナの神殿:アシュラムとスジャータの過去話 ~
《 冒頭の会話は省略します 》
【アシュラム】
チェザル、
俺とスジャータは少し寄りたいところがある
【チェザル】
ほう?
お前たちが神殿に興味あるはずもねーし
何か目的があるのか?
【アシュラム】
司祭、ラーナには腕利きの治療士がいると聞いた
どこに行けば会えるんだ?
【メルビン司祭】
治療士じゃと?
むろんここには優秀な治療士が大勢おるが
何の病じゃ? ▽
それによって担当の治療士が異なる
教えてくれれば神官に案内させよう
【アシュラム】
この娘・・・
スジャータの記憶を取り戻したい
【メルビン司祭】
なるほど 心の病じゃな・・・
いいだろう ▽
シスター
この両名をフォイル司祭の元に案内してくれ
【神官】
はい、どうぞこちらへ・・
《 場面転換 》
【フォイル司祭】
ふむ・・・・ではこの娘はあなたの身内ではなく
奴隷商人から救い出した者だと・・・
その時には既に記憶を失っていたわけですな
【アシュラム】
そうだ
もう3年も前の事だが、たまたま通りかかった街で
悪党共が十数人の子供を売りに出していた ▽
その状況があまりに腹立たしく
逆上した俺は『開放しろ』と詰め寄った
むろん争いになり・・・
【フォイル司祭】
悪党共を始末したのじゃな?
よいよい、当然の報いじゃ
それで子供達は?
【アシュラム】
親元に帰るか街の住民に引き取られるかしたが、
この娘だけは一言も話さず動こうとしない
町の住民も気味悪がって引き取ろうとしなかった ▽
それで仕方なく・・・
【フォイル司祭】
そなたが面倒を見てきたわけか・・・
ふーむ
見かけによらず律儀なお方じゃ ▽
この娘の病は心にある
奴隷商人に囚われた時の恐怖が原因じゃ ▽
恐怖から逃れたいという本能が
心を閉ざしたのじゃよ
【アシュラム】
俺は親を探すために島内を渡り歩いた
だが3年たった今も何の手掛かりもない
記憶が戻らねば手の打ち様が無いのだ ▽
司祭、何とか
記憶を取り戻す方法は無いだろうか
【フォイル司祭】
残念ながらこれと言った治療法は無い
突然思い出すこともあるし、
生涯思い出せぬ場合もある ▽
この娘の運命は神に委ねるしかない
力になれず申し訳ないが
ただ一つ、この娘を見てわかることがある ▽
この娘は両親に愛されていた
少なくとも悪党に拉致されるまでは
大切に育てられていたということじゃ
【アシュラム】
・・・それが聞けただけでも十分だ
両親の元に戻してやりたいという俺の努力は
無駄ではなかった・・・ ▽
司祭、世話になった
俺たちはこれで・・・
ウッ・・・・ごほっ、ごほっ
【フォイル司祭】
顔色が悪いと思っていたが
そなたは病にかかっておるようじゃな
それも相当悪い・・・ ▽
どうして放置しておるのだ?
手遅れになれば命を失うぞ
【アシュラム】
・・・・ごほっ、ごほっ
俺の病は人の力では治せない
ベリフルの毒によるものだからな・・・
【フォイル司祭】
ベリフル?
ああ・・大陸東方に生息するという茸の毒じゃな
かの地の蛮族が戦いに用いるという・・・
【アシュラム】
そうだ、ヴェスタリアに渡る前に毒の矢を受けた
この毒に冒されれば助かる見込みは無い
身体が体内から腐り激痛の中で死ぬ ▽
司祭、この病は報いだ
俺はこれまで大勢の人間を殺してきた
中には何の罪も無い人もいただろう ▽
死は避けられぬ運命だと覚悟している
しかし・・・それまでに
この子の親だけは見つけてやりたかった・・・
【スジャータ】
おにいちゃん、もう行こうよ
あたし退屈しちゃった
【フォイル司祭】
若者よ
ベリフルの毒は解除する方法が1つある
そなたの心根に免じて教えてやろう
【アシュラム】
なんだと!?
この毒を解除する方法があるというのか?
それは今からでも間に合うのか!
【フォイル司祭】
うむ
そなたはブラード竜を知っておるか? ▽
今ではごく少数になってしまったが
この島に太古から棲息する伝説のドラゴンじゃ ▽
この竜の血には強力な解毒作用があり
血を浴びることでどのような毒も中和できる ▽
そうじゃの・・・
ミスリー島ならば東部の荒地や
洞窟に潜んでおるやも知れぬ ▽
薬剤の原料として有名じゃから簡単には狩れぬが
ローレック伯ならば所在地を存じておるだろう
島に戻って相談することじゃ ▽
その娘にとってそなたは大切な家族のはず
無茶をして悲しませてやるな
まずは己の身体を労るのじゃぞ
【アシュラム】
ありがとう司祭
その言葉を胸に刻んでおく
ありがとう・・・・
※片方が死亡している場合、イベント自体が無くなります。
※予告なしに追記・修正・削除する可能性があります。ご了承ください。